神罰恐怖について

悪いことをすると神様の罰が当たると、子供の頃に親から言われたことのある人も多いものだと思います。
これは子供の躾としては良くあることであり、これによって問題が出てくるということは、ほとんどないと言って良いと思います。
しかし、中には神経質性格の特徴を持った子供もおり、こういう子供の場合は、親から言われた言葉が一生、影響してしまうということも多いものなのです。
「三つ子の魂百までも」という言葉もありますが、小さい頃に頭に刷り込まれたことは、その人の一生を支配することもあるものだと思います。
そして、これが神経質性格の人間の場合には病的な形になって現れてしまうことも多いものなのです。
これが今回、タイトルにさせて頂いた、神罰恐怖と言われているものなのですが、これもOCDの症状の代表的なものになります。
離婚して子供を見捨てたと感じている母親は、このために神様の罰が当たり、自分は不治の病気にかかったと感じることも多いものなのです。
しかし、こういう考えは、誰にでも浮ぶものであり病的なものではないと思います。
しかし、この考えが発展し、神棚に水をあげなかったり、塩でお清めをしなかったりすると、神様の罰が当たるという不安にとらわれてしまうことも多いものなのです。
そして、常に、このことが頭から離れない状態になると、これは神罰恐怖と言われている症状になります。
そして、この神罰恐怖は、むしろ道徳心や宗教心の強い人に起こる傾向があるものなのです。
つまり、神や仏などは信じないという人の場合には、神罰恐怖の症状は起こりにくいものなのです。
これは書道を習っていて、ある程度の腕を持っている人の方が書痙という症状になりやすいのと同じことなのです。
なお、書痙というのは人前で字を書く時に手が震えてしまうという悩みであり、これもOCDの代表的な症状になります。
つまり、自分が大切だと考えている対象に対してOCDの症状が起こりやすいということなのです。